
ボイラから発生する蒸気は、加熱・加温・殺菌消毒・加湿・蒸留・乾燥など、多くの用途に使われ
ます。このため蒸気は、直接・間接問わず食品・製品や人体と接触することが多く、蒸気の安全性
を確保することは非常に重要になってきています。
また、近年、操作性や省エネ・効率化の観点より小型貫流ボイラが主流となってきていますが、
その構造上、ボイラ水が蒸気中へ移行しやすくなっています。
極度のキャリーオーバー障害が起きると、蒸気純度は急激に低下し、品質への影響や配管腐食
などの問題を引き起こします。そこで、今回は、蒸気質や安全性に直結する「キャリーオーバー障
害」について、ご紹介します。
「
キャリーオーバー障害
」とは、ボイラから蒸気が発生する過程で、ボイラ水中の固形物の一部
が蒸気へ移行する現象をさします。低圧ボイラではプライミング現象・フォーミング現象があります。
・プライミング現象:ボイラ水が缶内で激しく沸騰するときに、水滴が飛び出して蒸気に混入
する現象
・フォーミング現象:高濃縮・高アルカリ時に起きやすい泡立ち現象
キャリーオーバ障害の発生原因:
①ボイラ薬品の過剰注入、ボイラ水の過剰濃縮など水質管理の不備
②給水への油脂類などの混入
③汽水分離機の設計不良や整備不良等の機械的トラブル
④水位の設定不良や蒸気負荷の急変動及び蒸気バルブの急開
キャリーオーバー障害の防止策:
①適正な薬注量やブロー量により、常にボイラ水中の塩類濃度を水質基準値内に保つ
②油脂類などの混入防止(主にドレン回収系統で熱交チューブ破孔による混入)
③汽水分離機の定期点検および内部付着物の清掃
④運転条件の適正化(蒸気負荷の急変動防止、蒸気バルブの急開の防止)
蒸気モニター(蒸気質の監視装置)は、低圧ボイラの蒸気の質を連続的に測定します!
●蒸気の質を迅速かつ連続的に測定します。
●蒸気の質が悪化した時に、アラームを発生させます。
●製品に使用した蒸気の質を、エビデンスとして残せます。
●ボイラの熱管理装置からデータを取り込むことで、蒸気の質が悪化した時の原因究明ができ
ます。
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つまり、蒸気の管理ができます!
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